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司法制度改革推進法案の解説

2001年11月06日
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公明党司法制度改革プロジェクト座長 魚住裕一郎(参院議員)

 

Q:国会で審議されている「司法制度改革推進法案」とは、どのような内容ですか。

 

A:政府は現在、日本の司法制度の抜本的な改革をめざして準備を進めています。現在、参院で審議が行われている司法制度改革推進法案は、文字通り改革推進の基本となるものです。法案では、改革の理念や方針、国の責務などを定めているほか、改革を総合的、集中的に推進するため、首相をはじめ全ての閣僚で構成する司法制度改革推進本部を設置することも盛り込んでいます。

 

今回の司法制度改革は、国民にとって、より利用しやすい司法制度の確立をめざして進められるもので、改革の方向性や具体的な内容については、政府の司法制度改革審議会で2年間にわたって議論が行われ、今年6月に最終意見書がまとめられました。

 

この意見書では、日本社会の規制緩和が進んで、これまでの「事前規制型社会」から「事後規制・救済型社会」へと移行し、国際化も進む中で、司法の果たす役割が一段と大きくなると予測し、これに対応するため、(1)国民の期待にこたえる司法制度の構築(2)法曹(裁判官、検察官、弁護士)のあり方の改革(3)国民的基盤の確立――という3点を改革の柱としています。

 

そして、具体的な改革として、(1)法曹人口の大幅増員と、新たな法律家養成機関となるロースクール(法科大学院)の設置(2)刑事裁判への裁判員制度導入による国民の司法参加(3)裁判の迅速化――などが盛り込まれています。

 

現在、日本の法曹人口は約2万3000人で、米国(約94万人)やイギリス(約8万3000人)など、欧米各国に比べて極めて少ないのが実情です。しかも、弁護士の場合、東京などの大都市圏に集中し、地方には少ないという偏りが大きな問題になっています。

 

これでは、国民が弁護士に法律問題の相談や依頼をしたくても、十分な対応をすることができません。法曹人口の大幅増員は、国民が利用しやすい司法の実現への第一歩であり、公明党も経済的に余裕のない人でも裁判を起こせるようにすることを目的とした法律扶助制度の拡充と併せて、法曹人口の大幅増員を強く主張してきました。

 

意見書では法曹のあり方として、現在は毎年1000人とされている司法試験の合格者を、2010年までに3000人に増やし、全体の法曹人口も2018年には現在の2倍以上の5万人とすることを打ち出しています。

 

また、現在の司法試験の制度を改め、法律家を養成する機関としてロースクールを新たに設置するとしています。ロースクールは大学院に相当する教育機関で、2年、または3年間、専門的な教育を受けるものです。意見書では、修了者の7~8割が新制度の司法試験に合格できるようにすべきだとしています。

 

国民の司法参加の一つのあり方として議論された刑事裁判への裁判員制度の導入は、国民から無作為に選ばれた裁判員が、通常の裁判官と一緒に審理を行うという制度です。司法の判断に国民の良識を幅広く反映させることを目的としたもので、欧米各国では広く取り入れられています。

 

裁判員に選ばれた人を長期間拘束することはできないので、法廷は毎日のように開かれることによってスピードアップするほか、裁判そのものが簡潔で分かりやすいものになることが期待されます。

 

国民に期待される司法のあり方として、意見書は民事裁判の迅速化も提言しており、当事者間に争いのある民事裁判の平均審理時間(1999年で平均20・5カ月)を半減させることが目標として盛り込まれています。

 

このように司法制度改革が実現すれは、現在の裁判のスタイルが大きく様変わりし、司法が国民にぐんと親しみやすくなることが期待されます。司法制度改革推進法案が今国会で成立すれば、改革がスタートし、具体的な改革項目は、個別の法律案として今後、国会に提出されます。

 

改革の実施にあたっては、司法制度推進審議会の意見書を土台としつつも、今後、さらに詳細な検討が必要な部分も残されています。公明党は「国民にとって利用しやすい司法制度」を原点に据え、より良い改革をめざしていきます。

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