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司法制度改革 利用しやすい行政訴訟に

2005年08月26日
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「行政優位」の批判

 

司法による行政に対するチェック機能を担う行政訴訟制度。現行制度では、行政を相手に裁判を起こそうとしても、訴えるための条件(原告適格)が厳しく、門前払いされるケースが多い。

 

また、国民の側が勝訴する割合も、最高裁の資料によると15%前後(1996年~2000年)と低く、「行政優位」との批判も強い。

 

02年3月に閣議決定された「司法制度改革推進計画」は、「司法の行政に対するチェック機能の強化」について検討を行い、所要の措置を講ずることを定めた。

 

これに基づき、司法制度改革推進本部(本部長=小泉純一郎首相)事務局は、行政訴訟検討会(座長=塩野宏・東亜大学教授)を開催して検討を行っており、04年の通常国会への法案提出を目指している。7月30日から8月11日には、国民からの意見募集も行われた。

 

公明党は、00年11月の「司法制度改革に向けての提言」で、行政訴訟制度の改革について、「訴訟要件の緩和など、国民が利用しやすい行政事件訴訟法に改正すべき」「行政側に偏することなく国民の立場に立った公平な裁判が行われるために、行政訴訟において、陪審制を、少なくとも参審制を導入すべき」との基本的な考えを示している。

 

さらに今回、行政訴訟検討会の意見募集に合わせて、「行政に対する司法によるチェック機能強化への提言」を取りまとめ、魚住裕一郎・司法制度改革プロジェクトチーム座長と荒木清寛・法務部会長(ともに参院議員)が21日、司法制度改革推進副本部長の森山真弓法相に申し入れを行った。

 

魚住座長らは、森山法相に対し、「国民の『裁判を受ける権利』を保障し、利用しやすい行政訴訟制度に」と、提言の内容を政府案に反映させるよう要請。

 

また、司法制度改革推進本部の設置期限である04年11月以降も、さらなるチェック機能強化に向けて、政府部内に新たな審議会を設置し、今回の行政訴訟制度の改革には含まれない「行政不服審査法」や「行政手続法」の充実などの必要な法整備を2年以内にすべきだと要望した。

 

提言ではこのほか、(1)訴訟を提起する裁判所を、原告の所在地を管轄する地方裁判所とする(現行法では役所の所在地を管轄する地方裁判所)(2)訴訟の対象を行政立法、行政計画、行政指導、通達にも広げる(現行法では許認可などの行政処分に限定)(3)裁判を提起できる期間を、行政が許認可や行政指導を決定してから1年とする(現行法では行政処分のあったことを知った日から3カ月以内)(4)環境保全や消費者保護などの訴訟では、その分野で公益的活動をしている団体にも訴訟を提起できる資格を新たに与える(5)行政側が敗訴した場合、原告の弁護士報酬を行政側に負担させる新たな制度をつくる(6)裁判の間、仮に行政の執行を停止させる「仮の救済」の要件を緩和する(現行法では執行不停止が原則)――などを訴えている。

 

「法の支配」を貫け

 

裁判所は、三権分立の抑制・均衡システムの中で、行政作用をチェックし、国民の権利・自由の保障を実現する重要な役割を持っている。行政の恣意を許さず、「法の支配」を貫くため、公明党の提言を取り入れ、国民が利用しやすく、公平な制度の構築を求めたい。

 

(2005/08/26付公明新聞掲載記事)

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