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官製談合の根絶へ全力 与党が防止法改正案を提出 魚住裕一郎 党対策プロジェクトチーム座長(参院議員)に聞く

2006年03月04日
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公務員に懲罰刑を創設
損害賠償など調査結果の公表 義務化
公明の主張大きく反映

 

自民、公明の与党両党は2月22日、議員立法で官製談合防止法改正案を衆院に提出した。改正の背景や法案のポイント、公明党の取り組みなどについて、党対策プロジェクトチーム(PT)座長の魚住裕一郎参院議員に聞いた。

 

――なぜ今、改正案を提出したのか。

 

魚住 官製談合とは、公共工事を発注する際、公務員らが事前に見積もり価格を受注業者に漏らすなど、業者間の談合にかかわる違法行為のことです。談合によって、不当に工事費が吊り上げられるわけですから、税金のムダ遣いそのものです。
こうした官製談合が昨年、旧日本道路公団の鋼鉄製橋梁工事や成田空港の電機設備工事をめぐって相次ぎ起きました。今年も1月30日に、防衛施設庁の空調設備工事をめぐり元技術審議官らが、刑法の談合容疑で東京地検特捜部に逮捕(2月21日に岩国、佐世保両基地工事で再逮捕)され、重ねて「官業癒着」の根の深さを見せつけました。
官製談合事件が後を絶たない背景として、独占禁止法が談合の被害者である「官」の違法行為を想定していないことが挙げられます。受注業者側が独占禁止法や刑法の取り締まりの対象とされる一方で、発注者側の「官」に対する刑罰規定がなかったのです。
このため、与党は1月19日、官製談合防止法検討ワーキングチーム(WT)を発足させ、規制強化に乗り出しました。そして今回、官製談合防止法の改正案をまとめ、衆院に提出しました。

 

――改正案のポイントについて。

 

魚住 談合に関与した公務員らに対し、「5年以下の懲役または250万円以下の罰金」を科す罰則規定を創設したことが最大の柱です。法律の題名も、「職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰」を加えたものに改めます。
また、公務員とともに対象となる法人については、現行法の国や地方公共団体の「出資比率2分の1以上」から「3分の1以上の株式保有を義務付けられている株式会社」に拡大しました。これにより、旧日本道路公団が民営化された「高速道路株式会社」なども適用対象となります。
さらに、公正取引委員会(公取委)が官製談合と認定し、改善措置要求出来る範囲を拡大。現行の(1)談合の指示(2)受注予定者の指名(3)秘密情報の漏えい――とあわせ、談合を知りながら特定業者の入札参加を認めるなどの「ほう助」(援助)を新たに追加しました。
ただ、公共工事などが地元の中小企業対策や景気対策として行われる場合、配慮しています。

 

――公明党の主張はどう反映されたのか。

 

魚住 公明党はこれまで、“政治とカネ”の問題に率先して取り組み、あっせん利得処罰法や官製談合防止法などの成立をリードしてきました。しかし、官製談合がいまだ後を絶たないことから、党内に1月19日、PTを設置し、現行法の問題点などについて精力的に議論。与党WTに、刑罰規定の創設や談合認定の範囲拡大など5項目を提示し、これが改正案にすべて反映されました。
特に、公明党の強い主張で、公務員に対する損害賠償・懲戒処分については、省庁や自治体に調査結果の公表を義務付けました。これは談合にかかわった公務員の責任を明確にするためです。処分結果が国民に公表されれば、とかく「身内に甘い」と指摘される省庁などは、あいまいな処分ができなくなります。
また、談合に至らなくても公務員らが談合を「そそのかす」などの公正な入札を妨げる行為をした場合も罰則が適用されますが、これも大きな前進です。

 

――民主党も独自案を国会に提出しているが。

 

魚住 民主党案は、刑法の改正が中心で、公務員が談合の可能性を知りながら防止する措置を講じなかった場合も新たに処罰対象にするものです。しかし、公務員がどの段階で談合を知ったのかの判断は、実際には非常に難しい。与党案のように、公務員が積極的に談合にかかわる行為を談合認定の範囲に追加した方が、公取委も取り締まりに動きやすいと思います。
また、民主党案は、罰金を外し、懲役刑のみとしています。厳罰化するという意味では、公明党内にも同様の意見がありました。しかし、罰金刑をなくした場合、たとえば裁判所は、懲役刑以外の選択肢がなくなることになり、談合への関与の度合い、悪質性に応じた関係者の処罰が難しくなる恐れがあります。
ただ、相違点はあっても官製談合防止の方向性は同じですので、民主党とも今後、協議しながら、今国会での与党改正案の早期成立を目指していきたいと考えています。

 

――今後の取り組み、課題は。

 

魚住 官製談合は、突発的なものではなく、官僚が組織を維持、温存するために作り出してきた構造的な弊害とも言えます。この官製談合を根絶するには、法律を強化する一方、談合と表裏の関係にある、公務員の関係営利企業への「天下り」を厳しく制限する必要があります。
公明党は、天下りの禁止期間を現行の2年から5年に引き上げるべきと主張しています。まずは、旧日本道路公団のような天下り自粛策(発注先に対して役員は無期限、それ以外の管理職は退職後5年間の再就職禁止)を各省庁でも検討するよう要請していきたいと考えています。
また、根本的には、公務員制度の在り方にまで踏み込んで議論する必要がありますので、引き続き、官製談合の根絶に向け、取り組んでいきたいと決意しています。

 

(2006/03/04付公明新聞掲載記事)

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