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冤罪防ぎ、裁判迅速化へ

2008年03月25日
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取り調べの録音・録画
警察が08年度から試行
公明提言が実る

 

泉国家公安委員長(左端)に提言を申し入れる党法務部会の検討会=25日 国会内

 

公明党法務部会の「これからの捜査の在り方検討会」(大口善徳座長=衆院議員)の「あるべき取り調べの適正化についての提言」を受け、取り調べの録音・録画(可視化)の対象が拡大される。警察庁は従来の反対方針を転換し、2008年度から試行を開始する方針。すでに試行している検察庁も21日に裁判員対象事件のほぼすべてで原則実施する指針を発表した。

 

公明党が19日に鳩山邦夫法相、吉村博人警察庁長官に、25日に泉信也国家公安委員長にそれぞれ申し入れた提言は主な論点として、(1)捜査の基本的なあり方(2)取り調べの録音・録画(3)取り調べに関する規制(4)接見(5)苦情申し出(6)証拠開示――を掲げ、各論点ごとに「当面求める施策」と「今後検討すべき施策」に分けている。急激な制度変更は現場の混乱を招くことが予想されることから、段階的に改革できるようにした。

 

焦点の「取り調べの録音・録画」について、警察に対しては、2008年度のできるだけ早い時期に試行を始め、2年以内に試行状況を検証し、本格実施を検討するよう求め、すでに試行している検察には、2008年度当初から、ほぼすべての裁判員裁判対象事件で原則実施するよう求め、「今後検討すべき施策」として、取り調べの全過程での実施を挙げた。

 

取り調べを録音・録画すれば、密室での取り調べ内容を第三者が確認できるようになる。このため、罪のない人が強圧的な取り調べで自白を強要された2003年の鹿児島県議選をめぐる選挙違反事件(志布志事件)のような冤罪事件を防止できると期待されている。

 

さらに、取り調べの録音・録画は、一般市民が刑事裁判に参加する裁判員制度の開始(2009年5月の予定)を目前に控え、分かりやすく迅速な審理を実現するためにも重要な意味がある。

 

最高裁司法研修所も今年(2008年)1月に裁判員裁判をめぐる実務の指針の一つとしてまとめた研究報告書で、取り調べの録音・録画の重要性を指摘。自白の任意性を立証する「有力な選択肢となる」と言及した。取り調べの映像があれば、裁判員は調書を読まなくても、自白の内容を目で見て、耳で聞いて判断できる。裁判長期化の原因となる自白が自らの意思かどうか(任意性)をめぐる争いも避けられる。

 

一方で、録音・録画で被疑者が真実を語らなくなり、取り調べが難しくなるとの懸念も指摘されている。

 

日本では、録音・録画が進む欧米諸国などと違い、おとり捜査などが認められておらず、捜査手法が限定されていることから、取り調べを重視せざるを得ない。このため、捜査当局は録音・録画に慎重な姿勢を示し、特に警察庁は反対してきた。

 

だが今回、「試行→検証→本格導入の検討」の道筋を示す公明党の提言を受け、警察庁は2008年度からの試行に踏み切り、検察も提言に沿った形で対象拡大を決めた。

 

(2008/3/31付公明新聞掲載記事)

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